時間栄養学
これまでの栄養学は何をどれだけ食べるかを考える学問でした。
時間栄養学は、さらに「いつ?」を加えた新たな栄養学です。
私たちの研究室では、体内時計を調節する食品成分や栄養素の探索を、培養細胞やマウスを用いて研究しています。
また、朝昼夕でそれぞれ何を食べれば、効率よくダイエットを成功することをできるのか、いかに高齢者のフレイルやサルコペニアを予防できるのか、といった研究も行っています。
時間健康科学
不規則な生活習慣や夜勤などは、体内時計の乱れを引き起こし、その状態が慢性化すると肥満や高血圧などの生活習慣病に繋がります。なので、体内時計をキチンと整えておくことは健康維持に大事なのです。
しかし、この便利な世の中に暮らす私たちは、なかなか規則正しい生活を実践することが出来ません。私たちは、どういった生活なら大丈夫なのか、夜更ししちゃった次の日はどうすればいいのか、といった実践的な時間健康科学の研究を進めています。研究では、ヒトのビッグデータ解析や、数理モデル、動物モデルなどを統合的に用いて実験を行っています。
概日時計イメージング
時計遺伝子PER2とホタルLUCIFERASEが複合タンパクを作るPER2::LUCマウス、またはBmal1-ELucマウスと、インビボ・イメージング装置(IVIS, Caliper社)を用いて、インビボ発光リズム測定法を世界で初めて確立しました(Tahara et al., Current Biology, 2012)。これにより、一個体の生きたマウスの末梢組織(腎臓、肝臓、顎下腺)の概日時計を、安定に、少ない個体差で、簡便に測定する事が可能となりました。最近では、マウスの頭部に装着可能なミニチュア蛍光顕微鏡を用いた脳内分子イメージングも行っています。これらを用いて、体内時計の老化メカニズムに迫ります。